Alberto Rigoni - Three Wise Monkeys

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Alberto Rigoni  Three Wise Monkeys

September 19、2012
by Joe Mis – Columnist –

Three Wise Monkeysはイタリアで評判のベース・プレイヤー、プログレッシブ・ロック・コンポーザー、またプロデューサーであるアルベルト・リゴーニの新作です。リゴーニはイタリアのバンドTwinspiritsと、エレクトロ・ポップ・デュオLady and THE BASSにおける活躍の方が知られているかもしれません。リゴーニは今回の新作ではオール・スター・ラインアップともいえるゲストで作品を仕上げています。その結果、様々なジャンルをブレンドしたインスト5曲、ヴォーカル入り5曲のアルバムが完成しました。

リゴーニはイタリアのモンテベルーナの出身です。2003年にTwinspiritsに加入し、その後ソロ・アルバムを3枚出しています。Something Different (2008)、Rebirth (2011)、そして、新作のThree Wise Monkeysです。 (2012年10月発売)

今回リゴーニは多くのゲスト・プレーヤーと曲を制作しています。

ヴォーカルのJonas Erixon (Alicate)、Göran Edman (Yngwie Malmsteen、John Norum)、ギタリストのTommy Ermolli (Twinspirits)、Simone Mularoni (DGM、Empyrios)、キーボードに Mistheria (Bruce Dickinson、Rob Rock)、Kevin Moore (Dream Theater、OSI、Chroma Key)、ドラマーにMark Cross (Outloud、Helloween、Firewind)、Paco Barillà (Daniele Liverani). この豪華ゲストの名前を見ただけで、リゴーニのミュージック・シーンにおける評判がおわかりでしょう。

Three Wise Monkeysは日本の民間伝承「三猿」から発想をとっています。「見ざる、言わざる、聞かざる」という教えを三匹の猿が表現しています。アルバムでは、それぞれの猿が自分の楽器を担当しています。この民間伝承は17世紀に日光の東照宮の彫刻として残されています。

リゴーニは全曲を作曲し、プロデュースを手掛けています。Coming Home”と“Believe”の2曲だけは、Jonas Erixonと共作しています。サウンド的には、このアルバムは実に多種多様なジャンルをカバーしています。プログレッシブ・メタルからジャズ・ロック、アンビエントから、アトモスフェリックまでを網羅しています。リゴーニのベースは曲の中心部を司り、曲と曲巧妙にブリッジングしています。しかし、実際にはベースが前面に出過ぎるのを押さえて、多彩なゲストにスポットライトがあたるように工夫しています。その結果、どのプレーヤーもスポットを浴び、曲が唐突であったり、わざとらしいつなぎがなく、スムーズに曲が流れてきます。これが、このアルバムが単なる「曲のコレクション」でなく、真の「アルバム」としての価値を証明しているのです。

前作のRebirthでもそうでしたが、Three Wise Monkeysは単に素晴らしいベース・プレイを披露するアルバムではありません。音楽コンセプトが実に明確です。うまくバランスがとれ、ミックスの具合も良いので、聞き手は単なる「ベースのソロ・アルバム」よりも、音楽自体に引き込まれてしまうのです。

静かな鐘の音で““Toshogu Shrine”の幕が開きます。多様な変拍子、ドライブ感あふれるリズムを経て、Kevin Mooreが”Mizaru”のキーボードを演奏します。“Three Wise Monkeys” はアップテンポのロックで、Göran Edmanの温かく、独特な歌声が響きます。リゴーニの滑らかのベースに、Paolo Valliのきめ細やかなドラムが重なります。ソフトで、感動的な“Kikazaru”はまさしくリゴーニのベース独壇場です。リゴーニはベース・ギターにおいて、これだけ感情とフィーリングを表現できることを証明しています。濃縮されたへヴィ・プログレナンバーの“Blackened Tornado”では、Jonas Erixonが素晴らしいヴォーカルを披露し、Tommy Ermolliは素晴らしいギター・ブレイクを聞かせてくれます。

インストルメンタルの“Iwazaru”では、リゴーニは思い切りベースを歌わせています。おもしろいパターンや、鐘の音のような音を作りだしています。Federico Solazzoの天上の音楽のようなキーボードや、ドラマーのSebastian Persiniの複雑なパターンがベースをサポートしています。 “Free Falling”ではソリッドでブルージーなジャズ・ロックに、Simone Mularoniの素晴らしいギター(非常にメタル的なソロ)が展開します。“Between Space and Time” ではソフトで、ほぼアンビエントなインスト曲です。Mistheriaの優しく、特徴のあるキーボードで彩られています。 “Coming Home” は気持ち良いミドル・テンポのロック・バラードで、Erixonのヴォーカルがハイライトされています。アルバムの締めくくりとして、スローで、エモ―ショナルな“Believe”が登場します。ここでも、Erixonのヴォーカルが輝きますが、曲を通して、リゴーニのベースとBarillàのドラムがフルに展開します。

世のベース・プレイヤーはリゴーニから多くを学ぶことができると思います。多種多様の音楽を折衷したスタイルで、ベース・ギターの限界に挑戦する完璧なミュージシャンです。また、優れたパフォーマーでもあり、シンプルなリズムであっても、複雑なリフであってもソツなく対応が可能です。作曲の際のメロディを軽んじることなく、ハートで演奏しているのがわかります。ただ指で演奏しているのではないのです。

Three Wise Monkeysはプログレッシブ・ロック・フュージョンの旅で、単なるベース・プレイヤーの「エゴ・トリップ」ではないのです。

一押しの一枚です!

ジャンル: Progressive Rock

Band:

Alberto Rigoni – bass
Göran Edman – vocals on track 3
Jonas Erixon – vocals on tracks 5、7、9 & 10
Kevin Moore – keyboards on track 2
Federico Solazzo – keyboards on tracks 5、6 & 9
Mistheria – keyboards on tracks 8 & 10
Alessandro Bertoni – keyboards on track 3
Tommy Ermolli – guitars on tracks 2、3、5、9 & 10
Simone Mularoni – guitars on tracks 7
Mark Cross – drums on track 7
Paolo Valli – drums on tracks 2 & 9
Paco Barillà – drums on track 3 & 10
Sebastian Persini – drums on tracks 5 & 6

Track Listing:
1. Toshogu Shrine
2. Mizaru
3. Three Wise Monkeys
4. Kikazaru
5. Blackened Tornado
6. Iwazaru
7. Free Falling
8. Between Space and Time
9. Coming Home
10. Believe

Label: Any And All Records

 Hardrock Haven rating: 9.5/10

 

 

 

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